多焦点眼内レンズは、遠くと近くが見える遠近両用眼内レンズです。今まで白内障手術において濁った水晶体を超音波乳化吸引装置で摘出し、その代わりに挿入する眼内レンズは単焦点眼内レンズでした。近くか遠くのどちらかにピントを合わせるため、焦点が合わないところを見るには眼鏡が必要となります。 一方、多焦点眼内レンズでは遠近にピントが合うため、眼鏡装用率を減らし老眼年齢の方のQOL(quality of life)向上が期待されます。2020年度より多焦点眼内レンズを用いる手術は先進医療から選定療養へ変更となりました。詳しくは担当医にご相談ください。
実際の見え方
単焦点眼内レンズを入れた場合は図のように遠くの景色は見えますが、目の前にあるバスの時刻表は読めません。
一方、多焦点眼内レンズを入れた場合は遠くの景色も見え、かつバスの時刻表も読めます。
このように、すべての距離が見えるわけではありませんが、遠くと近くが見えることで日常生活は非常に楽になります。